最後は ③壊した内装を元に戻す の作業を説明していく。
【7]新しい排水管の設置
新しい排水管材は当然に耐久性の高いものを選ぶ。
写真は硬質ポリ塩化ビニル管の外側に黒い耐火遮音被覆を施した「耐火遮音パイプ」に更新した例。
防火区画であるスラブを貫通する立て管は、建築基準法で定める一定の防火性能が必要である。
【8】仮の復旧
排水管の更新工事は1日では終わらない。
工事内容によるが大抵3日とか5日とかを要することになる。
当然に、住みながらの工事が基本であり、工事できる時間帯は朝9時~夕方6時までに限定されるので、
外した便器は元に戻さないと生活ができない。
洗濯機や洗面化粧台は戻せない場合が多いが、
最低限、便器だけは毎日戻す必要がある。写真は便器と壁を仮復旧している例。
【9】解体した内装の復旧
復旧の仕様と範囲をどこまで修繕積立金で行うのかについては、
設計段階において十分に検討しなければならない。
写真①はコンクリートブロック+石膏ボード12.5㎜+ビニルクロス仕上げ
写真②は、「排水管改修の基本①」で紹介した解体前の便所の復旧事例で、
解体したのは奥側の壁のみであるが、仕上げのクロスだけは全周新品に修繕積立金で全戸貼り替えた。
クロスの色柄は各戸で選んでもらい、壁点検口も設置した。
この後、取り外した器具を本設置し、工事完了となる。
写真①
写真②