銅製の排水管も長持ちする
建築設備分野において銅管といえば「給湯管」を連想する方が多いと思うが、唯一、某大手マンションデベロッパーが昭和50年代前後に建てた一部のマンションシリーズでは、排水管に「銅管」が採用された。
その数は意外と少なくないようで、首都圏を中心に最近よく出会うのである。
「排水管の種類と腐食③」で述べたアルファ鋼管より薄肉(80Aで1.8㎜、Mタイプ相当)で軽量であり、接合も差し込み式が中心なので、かなりの施工省力化が図れたものと思われる。
その上、耐久性が高いという優れものであるが、現在はどこの現場でも採用されていないようである。
この写真は、築後30年を経過した時点で現場より採取した雑排水系統の立て管であるが、殆ど劣化しておらず、今現在も問題なく使用されている。
築後30年の排水銅管。雑排水系統の排水立て管で、下側は洗浄して付着物を綺麗に取った状態である。肉厚も健全で表面にキズも見られない。