汚水単独の鋳鉄管は長持ちする
昔は「雑排水立て管は配管用炭素鋼管、汚水立て管は鋳鉄管」という使い方が多かった。
排水用鋳鉄管(JIS G 5525)は配管用炭素鋼鋼管と同様に歴史の古い配管材であるが、耐久性が極めて高い。
築後50年を経過した高経年マンションの汚水鋳鉄管は、今現在も問題なく使用されている。
経験的には、60年以上は軽く使用できるものと思われる。
写真3は、築45年の団地で汚水鋳鉄管を抜管したものである。ご覧のとおり、肉厚もしっかりしており、接合の状態も何ら問題なかった。
写真3=築45年の団地で汚水単独系の鋳鉄管を抜管したもの。
肉厚もしっかり残っており、接合の状態も何ら問題ない。
しかし、現在では、「汚水と雑排水の立て管は分ける」という考え方はなくなり、汚水と雑排水を立て管で合流させる系統も多く見られ、そこに鋳鉄管が使用されていることがあるが、この場合は、前述のような汚水単独系とは異なるので、適切な定期清掃が特に重要となる。写真4は、定期清掃を怠った厨房排水系の鋳鉄管で末路である。
写真4=定期清掃を怠った厨房排水系の鋳鉄管。
腐食により割れてしまった。やはり、排水管の定期清掃は重要だ。